税理士 山下事務所ホームページへようこそ


誤りやすい法人税・消費税の個別事例の実務検討

一の試験研究に係る補助金がその試験研究に係る試験研究費の額を超える場合に、その超える部分の補助金と他の試験研究に係る試験研究費を通算することの要否

事例

資本金 3,000 万円の 3 月決算法人甲は 23 年 3 月期において、A試験とB試験の2つの試験研究を行っておりました。2 つの試験研究についての概要は以下のとおりです。A試験、B試験とも試験研究費の税額控除の対象となる試験研究です。

試験A 21年10月〜22年11月にかけて新たな部品加工システムの開発を行うために、社内で機械作成しました。22年3月期で当該機械は未完成であったため、21年10月〜22年3月までについての経費はすべて建設仮勘定とし、試験研究費の税額控除の対象としていません。その後22年11月に機械は完成し事業供用したので、建設仮勘定から全額機械装置勘定へ振替し、減価償却を行いました。また、この部品加工システム開発は、ものづくり中小企業製品等支援補助金の対象となっており当該補助金は23年2月に振込まれました。
試験B 22年4月〜23年3月にかけて、新製品の開発のために専門的な知識をもった者が試験研究の業務に専ら従事しました。
質問1 試験Aについては、当該機械装置の減価償却費が試験研究費に該当すると考えてよろしいでしょうか。
質問2 試験Aの機械装置償却費が180万円、試験Aのものづくり補助金が800万円、試験Bに係る人件費が2,000万円の場合、中小企業等が試験研究費を行った場合に法人税の特別控除に試験研究費の額とされる額は、試験Bの試験研究のみを税額控除対象とすれば、2,000万円となりますが、他に試験研究及びその補助金収入がある場合に、そのような処理は認められるのでしょうか。試験Aも合算する必要があり2,000万円−800万円+180万円=1,380万円となるのでしょうか。
【解説】
  1. (1)質問1について
    新製品の開発に要した特定の人件費や経費そのものが試験研究費に該当しますが、その開発の結果完成した試作品を試験研究用資産として事業供用する場合には別途評価し、その取得価額を基にして減価償却することになります。そして試験研究用資産の減価償却費は、試験研究費となります。
  2. (2)質問2について
    特定の試験研究費について補助金が交付され、その補助金が特定の試験研究費に充てられるといった条件が付されていることを前提とすると、その条件に従って、補助金が交付される試験研究費から補助金を当然に控除されるべきですが、その試験研究費の額を超過する補助金は他の試験研究費の額から控除することが相当であると考えます(措法 42 の 4(13)、措令 27 の 4(6))。

学んで遊んで